重要文化財
乾漆薬師如来坐像
奈良時代
木心乾漆造漆箔
1躯
像高68.3cm
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小さな躯に宿る、
奈良時代の
祈りと超越
この尊像は奈良時代に造られたもので、像高は68.3cmと小ぶりながら、強い存在感があります。
芯になる木を組み、麻布と漆を何層にも重ねて形を作る「木心乾漆造」という技法で作られており、奈良時代に広く用いられました。



左手に薬壺を持たない古い形式の薬師如来像で、切れ上がった大きな目、長く垂れた手、波打つような衣のひだなど、誇張された表現が特徴です。
こうした造形には、現世の願いをかなえる密教的な超越性を示す意図があるとも考えられています。



像の伝来は不明ですが、神護寺がこの地に移る前の高雄山寺に由来する可能性があり、長い歴史を物語る貴重な遺仏です。

高雄山寺
平安時代前期に和気清麻呂建立した私寺。山岳修行の道場として、また最澄・空海という仏教史上の巨人が研鑽を積んだ聖地。神護寺の前身として合併された。
薬壺
仏像が持つ持物の一つ。薬師如来の象徴として知られる。
木心乾漆造
像の概形を木彫で作り、この上に麻布を貼り、抹香漆または木屎漆を盛り上げて完成させる技法。像内には木心が残ったままとなる。
奈良時代
平城京すなわち奈良に都した時代。元明・元正・聖武・孝謙・淳仁・称徳・光仁の7代七十余年間(710〜784)。美術史では白鳳時代を奈良時代前期、この時代を後期として、天平時代ともいう。奈良朝。
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