国宝
五大虚空蔵菩薩坐像(多宝塔安置)
平安時代
木造彩色
5躯
像高101.4cm(法界虚空蔵菩薩)
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五体が響きあう、
守護と福徳の象徴
この尊像は、平安時代前期の承和三年に仁明天皇の発願で建立が始まった宝塔院の本尊とされます。
五大虚空蔵は五智如来の変化身とされ、災いを取り除き、福を願う人びとから篤く信仰されています。


姿はほぼ同じながら、印相や手に持つものによって区別され、衣を着ていない身体の部分は白・黄・緑・赤・黒に塗り分けられています。



本来は中心仏である法界虚空蔵菩薩を囲む立体曼荼羅状に安置されていましたが、現在は一直線に祀られています。
一木造で両腕のみ別材、仕上げに木屎漆を用い、彩色は9世紀末に塗り直されたものです。


宝冠や装身具、台座・光背は後の時代に補われた部分や、すでに失われた部分もありますが、密教彫刻の優品として高く評価されています。



光背
仏像や菩薩像の背後に設けられる光の表現。仏の神聖さや霊的な力を示す意匠。
宝冠
仏像や菩薩像が頭部に着ける装飾的な冠。菩薩像に多く見られる。

木屎漆
漆糊に木屎をねり合わせたもの。割れ目、合わせ目を接着するのに用いる。仏像制作や修理に用いられる。
一木造
像の頭部と体部の主要部を1材から彫り出す木彫の技法のひとつ。
立体曼荼羅
仏教とくに密教における曼荼羅の思想を二次元の絵画(平面曼荼羅)ではなく、三次元の仏像群として立体的に表現したもの。
法界虚空蔵菩薩
密教における虚空蔵菩薩の一尊。特に五大虚空蔵菩薩のうち中央を司る主尊として位置づけられる。

印相
仏教において、手の指で様々な形を作り、宗教的理念を象徴的に表すもの。

五智如来
大日如来が備える五種の智慧を、金剛界の五如来にそれぞれの智が配せられたものと言われる。金剛界の五智如来は、大日如来・阿閦如来・宝生如来・阿弥陀如来・不空成就如来の五体である。
五大虚空蔵
密教において信仰される虚空蔵菩薩を五方(東西南北中央)に配した尊格群。智慧と福徳を象徴し、密教の曼荼羅や儀礼で重視される。
宝塔院
神護寺においてかつて建立された建物。平安時代中期に仁明天皇の発願により建立された。
仁明天皇
第54代天皇。在位833〜850。嵯峨天皇の子で、藤原氏の政治的台頭と密教の発展期を治めた。808-850。
平安時代
桓武天皇の平安遷都(794)から鎌倉幕府の成立(1185)まで約400年の間、政権の中心が平安京(京都)にあった時代。ふつう初・中・後の3期、すなわち律令制再興期・摂関期・院政期(末期は平氏政権期)に分ける。平安朝時代。
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